Super Fine TFT技術
すぐれた視野角特性
液晶ディスプレイのスペック表には必ず視野角の項目がありますが、この値は、「10:1以上」のように、ある一定条件のコントラスト比(*1)を満たす、正面(画面垂直方向)からの角度の範囲を表示しています。従って、たとえば正面から左に80度傾いた時の色合いが、正面から見た場合とはまったく異なっていても、コントラスト比の条件さえ満たしていれば「左視野角80度」となります。このため、視野角の値が同じであっても、液晶ディスプレイの駆動方式が異なれば、実際に斜め方向から画面を見た時の「見え方」に大きな差が生じる場合があるのです。
【SFT方式とTN方式の見え方の違い】
液晶ディスプレイは、二枚の偏光板にはさまれた液晶分子に電界を加えることによって、液晶分子の配列や方向を変化させ、光の透過量を制御します。多くの液晶ディスプレイは垂直方向に電界を加えることによって液晶分子を垂直方向に回転させますが、SFT方式の液晶ディスプレイでは、水平方向に電界を加え、液晶分子を水平方向に回転させます。加える電界の強度によって回転角度が変わり、透過させる光の量を変化させますが、液晶分子はつねに水平状態を保っているため、画面をどの方向から見ても、液晶分子の大きさは変わりません。このため、斜めから画面を見ても輝度や色合いが変化しにくいという優れた特性をもっています。
(*1) 暗室のように外光の影響を受けない環境における最大輝度(全画面白表示時)と最小輝度(全画面黒表示時)の関係を比で表したもの。
【SFT方式の液晶分子】
「SFT」は「Super Fine TFT」の略称です。