独自技術・TR3i搭載、アイトラッキング3Dシステムを開発
~なめらかで臨場感あふれる裸眼立体表示が可能~
報道関係各位
2013年9月27日
NLTテクノロジー株式会社
NLTテクノロジー(代表取締役執行役員社長:大井 進、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、視線の動きに応じて3D表示画像を最適化する独自のアイトラッキング3Dシステムを開発しました。
この新しいアイトラッキング3Dシステムは、NLTテクノロジーが独自に開発した3D画像処理エンジン“TR3i”(Truly Realistic 3D Imaging)と、同じく当社独自の裸眼3D表示技術“HxDP”(Horizontally x times Density Pixels)、さらに画面観察者の視点を高精度で検出するアイトラッキング(視点追従)装置を組み合せることにより、これまでにない、なめらかで臨場感あふれる裸眼3D表示を実現します。
当社が新たに開発した3D画像処理エンジン・TR3iは、アイトラッキング装置が計測した観察者の観察位置に応じて、表示ディスプレイの特性を反映した独自の画像変換処理を行います。これによって、観察位置が移動した時に画像が二重に見えたり、左右の目に入る画像が逆転する逆視像が発生してしまう問題を解決して、最適な画像データを裸眼3Dディスプレイに送ることが可能になります。
一方、従前より当社が開発と製品販売を進めているHxDPは、独自の画素配列によって高密度で高精細な立体画像表示を可能にする多視点裸眼3D表示技術です(*1)。
このHxDPを採用した高精細の3D液晶ディスプレイモジュールに、今回開発した3D画像処理エンジン・TR3iを搭載することにより、観察位置の変化による影響を抑え、より自然でシームレスな裸眼3D表示を実現することに成功しました。
近年、ゲーム、スマートフォン、テレビといった民生機器分野だけでなく、医療や教育といった産業用機器分野でも裸眼3D表示機能への期待が高まっています。これは、内視鏡をはじめとするステレオカメラの普及により、画像中の奥行き感まで把握できる高精細の裸眼3D画像の利用機会が増加すると同時に、その利用価値が認められたことによるものといえます。しかし、観察者の移動時に二重像、逆視像が発生する問題や、立体視認が可能な範囲が限られるという問題が、利用価値を損なう要因の一つとなっていました。この課題を解決する方法として、立体像をさまざまな視点から観察できるよう視点数を大きく増やすことで立体視認範囲を広げ、逆視の出現を緩和する手法がありますが、視点数が増加すると3D精細度が低下するため、逆視の出現緩和と3D精細度確保の両立には限界がありました。
このたびの開発は、高精細のHxDPディスプレイとアイトラッキング装置を組み合わせ、3D画像処理エンジン・TR3iを搭載することで、視点数を増やすことなく立体視認範囲を飛躍的に拡大させ、産業用機器にも適用できる高品位の裸眼3D表示システムを提案するものです。
NLTテクノロジーは、本技術を各種装置・端末用の表示装置に適用することにより、幅広い応用の機会が期待できると考えています。当社は今後も、先進技術を駆使して液晶表示装置とこれを用いたシステムの新たな価値創出に取り組んでいきます。
なお、当社はこの新開発のアイトラッキング3Dシステムのプロトタイプを、10月1日から5日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「CEATEC JAPAN 2013」の展示会に出展します。
以 上
*1 HxDPについての詳細は、下記プレスリリースをご参照ください。
「専用メガネ不要の多視点3D表示技術“HxDP”を開発」(2012年5月14日)
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。