専用メガネ不要の多視点3D表示技術"HxDP"を開発
~モバイル用途に適した3.1型WQVGAの6視点表示に対応~
報道関係各位
2012年5月14日
NLTテクノロジー株式会社
NLTテクノロジー(代表取締役社長:大井進、本社:神奈川県川崎市)は、このたび、多視点(6視点)の裸眼立体視が可能な3D表示技術、HxDP(Horizontally x times-Density Pixels)を適応した、対角79mm(3.1型)WQVGA(427×240ピクセル)低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)カラー液晶ディスプレイモジュールのプロトタイプを開発しました。
このたび開発した液晶ディスプレイモジュールは、当社がNEC時代から開発してきた独自の裸眼3D技術であるHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)をさらに進化させて、多視点裸眼3D表示に対応したものです。
従来の液晶ディスプレイでは、RGBのサブピクセルが縦に並んで1つの画素(ピクセル)を構成します。この通常ディスプレイを使って3D表示する場合は、少なくとも2つの画素を使う必要があり、このため3D表示時の解像度が2D表示の2分の1以下になります。当社の独自技術であるHDDPでは、横方向に配列したサブピクセル2セットで1画素を構成するため、水平に2倍の画素密度、すなわちHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)となります。
このHDDPでは2つの視差画面を表示しますが、多視点3D表示技術であるHxDPは、2つ以上の視差画面を使用するために、1つの画素に、視点数分のサブピクセルセットを高密度で配置します。つまり、3視点であれば3倍の密度で、6視点であれば6倍の密度でサブピクセルを配置します。このように“x”倍の密度で画素を配置するため、HxDP(Horizontally x times-Density Pixels)と呼んでいます。従来のHDDPと同様、3Dを2Dと同じ解像度で表示できるうえ、2Dと3Dの混在表示も可能です。
これに加えて、3D表示部分の視点数を選択することも可能です。2視点でも3視点でも、最大x視点までの多視点3Dの表示を任意の部分で実現可能です。また、視認角度も2視点に比較して広がります。
さらに多視点の情報を持つHxDP適応の液晶ディスプレイモジュールでは、視認角度によって視認するデータが異なるため、運動視差(注1)と呼ばれる、より立体感のある3D表示が可能になりました。(図1)
近年、世界的に3D映画、TVや、3D携帯、PCが普及していますが、そのほとんどは2視点のものです。当社でも7.2型(SVGA)のHDDP製品を昨年から量産、販売していますが、次世代の3D技術として、この多視点3D技術が注目されています。工業用CAD、医療用画像解析など、各種産業機器の分野でも表示情報3D化のニーズが高まっており、高品位な3D映像を表示できるHxDPは、産業分野での活用が期待されます。
このたびの開発品は、当社がNEC時代から高画質・高密度の裸眼3Dディスプレイの研究・開発を継続してきた成果といえます。
NLTテクノロジーは今後、HxDP製品のラインアップの拡充を図るとともに、裸眼多視点3Dに対する市場ニーズに対応していきます。
なお、当社はこの3.1型(WQVGA)の試作機を、6月5日から7日まで米国ボストンで開催される「SID Display Week 2012」の展示会に出展します。
以 上
【図 多視点ディスプレイのイメージ】
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