高機能ノート型パソコンに最適な26cm(10.4型)TFTカラー液晶ディスプレイの発売について
報道関係各位
1995年04月24日
日本電気株式会社
NECはこのたび、高機能ノート型パソコンへの搭載に適した26cm(10.4型)TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)カラー液晶ディスプレイモジュール2機種を製品化し、平成7年5月からサンプル出荷を開始することにいたしました。
今回製品化したディスプレイは、対角26cmの標準的な2種類のSTN製品と外枠、取り付け穴の互換性を各々有する、ユーザーの応用製品展開に柔軟に対応可能とした製品で、外形寸法が243.0mm×179.0mm×7.5mmの「NL8060AC26-04」と264.0mm×180.0mm×7.5mmの「NL8060AC26-05」の2機種となっております。
新製品は、
- 26cm(10.4型)の大型表示画面に0.26cmの画素ピッチで水平800×垂直600の大容量画素を集積し、かつ26万色の同時表示が可能といった3つの特長を全て合わせ持つ優れた製品であること
- 業界で初の7.5mmの超薄型設計に加え、400g以下の軽量を実現していること
- 3.3Vの低電圧電源LSIの採用などのより、6ビット、26万色にもかかわらず、従来の5V電源の4ビット、4096色表示製品を下回る2.4W(注1)の低消費電力を実現していること
- 新開発のドライバICの採用により、極めて優れたEMI対策が施されていること
などが主な特長となっております。
新製品のサンプル価格は各々17万円となっており、生産規模としては平成7年7月以降、2機種合計で月産3万台を予定しております。
当社は、かねてから大画面TFTアクティブマトリックス方式のカラー液晶ディスプレイを製品化し、ラップトップ型パソコン、ノート型パソコン、エンジニアリングワークステーション(EWS)などのOA用機器分野から好評を得ております。
しかしながら、ノート型パソコン分野からは表示内容の高度化に伴いより大表示容量、大型画面サイズ、多色表示が可能な製品が求められております。NECは、800×600の大容量画素、26cmの大型画面サイズ、26万色表示といった表示性能の大幅な向上とともに、外形寸法の小型化、軽量化、低消費電力化など携帯性能の向上を兼ね備えたこのたびの新製品により、これらのユーザーの要求に十分に答えようとするものであります。
新製品の主な特長は以下の通りであります。
- STN製品との互換性
対角26cm(10.4型)の標準的なSTN製品と外枠、取り付け穴位置互換。
これにより、ユーザーは容易にTFTへの置き換えが可能。 - 薄型、軽量化を実現
2.3mmΦ1灯エッジライト、3mmクサビ型導光板を採用したバックライト系、ならびに厚さ0.7mmのガラス基板を採用した液晶パネルにより、モジュール厚さ8mm以下、400g以下の薄型、軽量化を実現。 - 優れた低消費電力化を実現
当社の従来製品に比べ23%改善された高開口率、高透過率カラーフィルタ、高透過率偏向板を採用し、このクラス最高レベルの高透過率(7.0%)を実現した新設計パネルにより、バックライト系で30%以上の低消費電力化を実現。
駆動回路系でも、3.3vの低電圧電源LSIの採用で、6ビット、26万色化にもかかわらず、従来の5V電源の4ビット、4096色表示製品以下の2.4Wに電力を抑制。 - 低EMI化を実現
画素数と色数の増大に伴う駆動回路の高周波化でクローズアップされるEMI(Electromagnetic Intereference)に対し、並列処理方式により駆動周波数の半減(20MHz)を図った新開発のドライバICの採用などにより、EMIレベルを従来の640×480画素品並みに抑えた低EMIディスプレイを実現。 - 有効画面率の拡大
外形寸法の小型化のための液晶パネル周辺の高密度実装技術として、水平ドライバICの片側1辺TAB実装や新たにCOB(Chip on Board)技術を導入した9.2mmの狭幅コントローラ回路基板を採用したことにより、「NL8060AC-04」において77%の有効画面率を達成。
NECでは、従来からのノート型パソコン用の24cm(9.4型)のTFTカラー液晶ディスプレイのファミリーの充実に加え、今後、26cm(10.4型)ノート型パソコンの分野においても新ファミリーを拡充することにより、幅広い市場ニーズに対応していく所存であります。
このたびの新製品をNECでは、4月26日から28日までパシフィコ横浜で開催される電子工業会主催の「電子ディスプレイ展」において展示する予定であります。
なお、新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。
以 上
(注1)インバータ外付け仕様のため、インバータロスを除いた値です。
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。