放送機器向けにハイビジョン映像の高画質表示を追求したシステム・オン・グラス液晶モジュールを開発
報道関係各位
2006年11月13日
日本電気株式会社
NEC液晶テクノロジー株式会社
[対角8.9㎝(3.5型)透過型SOG液晶ディスプレイモジュール]
NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:奥野 和雄、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、小型液晶モジュールとしては業界最高水準となる、NTSC比100%超の広色度域と350cd/㎡の高輝度を実現した対角8.9cm(3.5型)QHD(960×540ドット:注)表示対応のシステム・オン・グラス(SOG)液晶モジュールを開発しました。
本SOG液晶モジュールは、本年10月1日より稼動開始した秋田日本電気株式会社(代表取締役社長:斎藤 直樹、本社:秋田県秋田市)の低温ポリシリコンTFT液晶の量産ラインでの量産化を目指して開発したもので、特長は以下の通りです。
- ハイビジョン映像再現に最適な画素構成
対角3.5型と小型ながらQHDの画素数(960×540画素)を有しており、300ppⅰ超の精細度による高画質映像を実現しています。 - 広色度域と高輝度の両立
低温ポリシリコン液晶の高透過率をベースに、バックライトシステムとカラーフィルタを最適化し、NTSC比100%を超える広い色再現域と350cd/㎡の高輝度とを両立しました。これまでの小型液晶では表現できなかった鮮やかで明るい画面表示を可能にしています。 - 周辺回路を内蔵しつつコンパクト化を実現
従来のアモルファスシリコン液晶に比べ、液晶モジュールの狭額縁化を実現。更に、TFT液晶ディスプレイと同じガラス基板上に周辺回路を一体形成し、本液晶モジュールを組み込む装置の部品点数も削減。これにより、装置の小型化と組み込み易さに貢献します。
NEC液晶テクノロジーは、かねてからハイエンド・プロフェッショナル分野や産業分野向け液晶モジュールの開発・製品化に注力してきました。こうした中、新たに小型の産業分野でも、装置の小型化や可搬型機器の登場など利用環境の多様化に伴い、よりコンパクトな高画質液晶モジュールを求める声が高まっており、産業用途にモバイル用液晶モジュールが採用されるケースが増えています。しかし、従来のモバイル用液晶モジュールでは、産業用液晶モジュールに要求される性能を満たすことができず、装置全体のパフォーマンスを充分高めることができないという問題が生じていました。
当社のSOGモジュールは、従来の産業系に要求されていた高画質性能を維持しつつ、新たに小型・高精細化を実現可能としており、今後の産業分野におけるニーズの多様化に対するソリューションの1つになります。今回の液晶モジュールも、こうしたSOGの特長を活かし、プロフェッショナルビデオカメラなどの放送機器向けとして開発したものです。
NEC液晶テクノロジーは今後、SOG技術を当社の新たなコアコンピタンスとして位置づけ、産業分野をはじめとする高付加価値な表示装置が求められる分野に対して、より一層の高画質とユーザビリティーを提供できる製品の開発に取り組んでいきます。
なお、当社はこのたび開発したSOG液晶モジュールを、11月15日から17日まで幕張メッセ(千葉県・千葉市)で開催される「Inter BEE 2006(2006年国際放送機器展)」に出展します。
本SOG液晶モジュールの仕様は、別紙をご参照ください。
以 上
(注)QHD:「Quater High Definition」の略。ハイビジョン規格の1/4の画素数に相当。
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