業界最高水準の視野角特性とコントラスト特性を実現した半透過型カラーTFT液晶ディスプレイモジュールを開発
2006年06月06日
NEC液晶テクノロジー株式会社
半透過型アモルファスシリコンカラー
TFT液晶ディスプレイモジュール
NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:奥野和雄、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、小型液晶ディスプレイ モジュールとしては業界最高水準の視野角特性とコントラスト特性を両立したQVGA(240×320ドット)表示対 応、対角8.9cm(3.5型)半透過型アモルファスシリコンカラーTFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイモジュールを開発しました。
本液晶ディスプレイモジュールは、半透過技術をベースとする当社独自の外光環境適応技術である「SR-NLT (Super-Reflective Natural Light TFT)技術」と、水平電界(In-Plane Switching)方式による広視野角技術をベース とする当社独自の高画質化技術である「SA-SFT(Super-Advanced Super Fine TFT)技術」とを高次元で融合することにより実現しました。
従来の半透過型液晶モジュールの課題であった透過モード時の視野角特性とコントラスト特性を大幅に改善しており、ともに半透過型液晶ディスプレイモジュールとしては業界最高水準となる、(1)水平・垂直・対角の全方向 で170度(コントラスト比10:1以上の場合)の広視野角(2)500:1の高コントラスト比、を実現しています。
近年、ユビキタス情報社会の進展に伴い、ポータブル情報端末の多機能化が進んでいます。特に、GPS機能、ポ ータブルマルチメディアプレイヤー機能、1セグ対応デジタルTV機能などを複数搭載した情報端末へのニーズが急激に高まっています。
ポータブル情報端末でGPS機能を使用する場合、屋外使用が前提となるため、直射日光下などの強外光環境で 視認性を確保することが求められます。一方、ポータブルマルチメディアプレイヤー機能や1セグ対応デジタルTV 機能を使用する場合は、高輝度・高コントラスト・広視野角など、高画質表示を実現するための様々な性能が必要となります。特に1セグ対応デジタルTVの場合、放送内容やユーザのニーズに応じて、TV映像とデータ放送とを同時表示したり、TV映像だけをフルスクリーンで表示したりと、画面を縦長方向や横長方向など臨機応変に切り 換えて使用するため、上下左右どの方向にも階調反転が発生しない均一な視野角特性が求められます。
このように、ポータブル情報端末のマルチメディア対応の進展に伴い、強外光下の視認性と広視野角をはじめとす る高画質表示の両立が必要となりますが、従来は、前者を実現する半透過技術と、後者を実現する水平電界方式による広視野角技術とを、双方のメリットを損なわずに組み合わせることは困難でした。
このたび新開発した液晶ディスプレイモジュールは、独自の液晶セル構造の開発と光学補償方式の最適化等によ り、両技術の組み合わせによって生じる様々な課題を克服し、ユビキタス社会のマルチメディア端末に最適な表示装置として新たに提案するものです。
NEC液晶テクノロジーは今後も、ユビキタス社会を支える高機能なマルチメディア端末の実現に貢献するディスプ レイの実現を目指し、研究開発に注力していきます。
なお、当社はこのたび開発した液晶ディスプレイモジュールを、6月4日~9日の間、米国サンフランシスコで開催される「SID 2006」の「Exhibition」に、6日から出展するとともに、6月8日の「Late News Session」にてプレゼンテーションを行います。
新製品の仕様は、別紙をご参照ください。
以 上
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。