あらゆる外光環境下で高い視認性を提供する半透過型TFTカラー液晶ディスプレイモジュールを販売開始
2006年04月05日
NEC液晶テクノロジー株式会社
3.5型TFT液晶ディスプレイモジュール「NL2432HC22-40A」
NEC液晶テクノロジー(代表取締役社長:奥野和雄、本社:神奈川県川崎市)はこのたび、携帯情報端末(PDA)や携帯GPS端末といった各種ポータブル機器用の表示デバイスとして、様々な外光環境で常に高い視認性を提供できる、QVGA(240×320ドット)表示対応、対角8.9cm(3.5型)アモルファスシリコンカラーTFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイモジュール「NL2432HC22-40A」を開発し、本日から販売活動を開始します。
新製品は、当社独自のSR-NLT(Super-Reflective Natural Light TFT)技術をベースに、長年培ってきた適応設計技術を加え、光学設計を最適化したもので、半透過型の液晶ディスプレイモジュールとしては業界最高水準となる220cd/m2の高輝度と15%の高反射率を両立しています。新製品のサンプル価格は15,000円で、2006年6月上旬より出荷を開始します。今後1年間で30万台の販売を見込んでいます。
新製品の主な特長は以下の通りです。
- 高輝度と高反射率の両立
当社独自のSR-NLT技術をベースに、光学設計を最適化し、従来製品(NL2432HC22-22A)と同等のバックライト消費電力で、従来比約2.3 倍となる220cd/m2の高輝度と、約2.1倍となる15%の高反射率を実現。さらに、半透過型液晶ディスプレイの弱点であった透過モード時のコントラスト比も150:1(従来は90:1)に向上。これにより、屋内・屋外に関わらず、あらゆる外光環境下で、常に明るく見やすい表示を実現。 - タイミングコントローラ、DC/DCコンバータを内蔵
当社モバイル機器用TFT液晶ディスプレイモジュールとしては初めてタイミングコントローラとDC/DCコンバータを内蔵し、本製品を搭載する機器のコンパクト化が可能に。同時に、従来必要であったこれらの部品の設計・検証が不要となり、機器開発期間の短縮や開発コストの抑制にも貢献。 - 最適設計による軽量化の実現
液晶モジュール全体の最適設計をはかることにより、タイミングコントローラ、DC/DCコンバータを内蔵しながら、従来機に対して約10%の軽量化を達成しており、本製品を搭載する機器の軽量化に貢献。
近年、ユビキタス情報社会の進展に伴い、さまざまなポータブル情報機器が登場しています。こうした機器の中には、表示デバイスとして、バックライトを光源とする「透過型液晶」と、周辺光を光源とする「反射型液晶」の双方の特長を併せ持つ「半透過型」と呼ばれる液晶ディスプレイモジュールを採用しているものがあります。一般に半透過型液晶ディスプレイは、直射日光が表示画面に当たるような環境下では視認性を確保し、一方でバックライトを消灯して反射モードで使用することでバッテリ消費を抑制できることを特長としています。しかし、半透過型液晶ディスプレイは、一つの画素の中に透過構造と反射構造とを有する必要があるため、透過モード時には透過型に比べて輝度が低く、反射モード時には反射型に比べて反射率が低くなってしまうというジレンマがありました。
このたびの新製品は、当社の3つのコアテクノロジーのうち、SR-NLT技術と適応設計技術とを組み合わせて、透過モード時の輝度と反射モード時の反射率とを高次元で両立することに成功したもので、従来のポータブル情報機器の抱えていた表示デバイスの課題を克服するものです。
NEC液晶テクノロジーは、ポータブル情報機器用小型液晶モジュールの分野でも、高画質と高機能、使い易さの向上といった付加価値の提案を行い、今後、より快適なユビキタス環境の実現に貢献していきます。
なお、当社はこのたびの新製品を、4月19日~21日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「Display2006」に出展します。
新製品の仕様は、別紙をご参照ください。
以 上
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。