TFTカラー液晶ディスプレイの新市場を開拓する超高精細品の製品化について
2000年09月04日
日本電気株式会社
「NL10276BC12-01」
NEC(NECエレクトロンデバイス)はこのたび、カラーフォトビューア、電子ブック、計測機器、携帯情報端末のモニタなど、カラー液晶ディスプレイに新たな応用市場を拓く、202ppi(pixels per inch)の超高精細画素を有する16cm(6.3型)デジタルインタフェース・1619万色表示のアモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)カラー液晶ディスプレイ「NL10276BC12-01」を製品化し、本年12月からサンプル出荷を開始いたします。
新製品は、写真印画紙や印刷物に迫る高度な表示品位を実現し、アモルファスシリコンTFTカラー液晶に全く新たな応用市場を拓く超高精細製品であり、
- TFTガラス基板上にカラーフィルタを形成するCOT(Color filter On TFT)技術により、人の視覚分解能を凌駕する202ppi(pixels per inch)という密度で画素を集積し、6.3型で1024x768画素(XGA)という従来製品にはないきめ細かな超高精細表示を実現していること
- RGB各8ビットの入力信号とFRC(フレームレート制御)方式による1619万色表示モード、あるいはRGB各6ビットの入力信号による26万色同時表示モードが選択可能であること
- 220cd/m2 (TYP.)の高輝度で良好なハイライト表現が可能なこと、などが大きな特長となっております。
新製品のサンプル価格は、10円となっており、量産開始は平成13年1月から、量産規模は月産1万台を予定しております。
環境保全型製品を求める世界的な社会潮流の中で、省スペース、省エネルギー性能に優れ、人の眼に優しい表示の可能なTFTカラー液晶ディスプレイは、ノートパソコン、モニタ、さらには大型テレビへと、多方面にわたる応用展開が本格化してきました。しかしながら、これら従来の直視型液晶ディスプレイの精細度は80~100ppi程度、大型テレビにいたっては40ppi程度あるいはそれ以下が一般的であり、印刷物の細かな文字、あるいは写真等の微細な輪郭部分を滑らかに表現するには十分なものとは言えませんでした。
NECはこれら従来の液晶ディスプレイはもちろんのこと、CRTをも含む既存の電子ディスプレイの精細度を遙かに凌駕し、写真印画紙あるいは印刷にも迫る超高精細表示の実現を目標にして超高精細液晶ディスプレイの研究開発を進めてきており、平成10年に対角29cm(11.3型)の画面に1600×1200=192万画素を集積した177ppi品を、昨年は対角24cm(9.4型)の画面に192万画素を集積した211ppi品を開発しております。
今回の製品は、それらの開発で培った超高精細画素と低消費電力特性との両立に必要なCOT技術とそのための新たな製造技術を適用したものであります。(30件をこえる関連特許を出願)
NECはカラー液晶事業に参入以来、ノートパソコン用ならびにモニタ用の大型・大表示容量TFTカラー液晶ディスプレイモジュールを主体にラインナップの充実に努め、21.3型UXGAまでの豊富なラインアップを広範な応用分野にご利用いただいております。今回、全く新たで高度な表現力を獲得した超高精細TFT(Ultra Fine TFT)ラインアップの第1弾、6.3型XGAの市場投入により、これまでの電子ディスプレイでは実現不可能であった超高画質の応用製品展開にも対応できるようになりました。NECでは、今後も新たな応用分野を開拓する製品ラインアップの強化を図って参ります。
なお、新製品は、計測機器用としてすでに多方面で好評を得ている17cm(6.5型)の「NL6448AC20-06」、「NL6448BC20-08」と外形並びに取り付け穴位置、さらに取り付け穴と表示画面中心との相対位置関係に互換性を持たせた設計により、既存筐体を利用した応用製品のバリエーション展開を容易にする配慮をしております。
新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。
以 上
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。